和尚さんのさわやか説法168
曹洞宗布教師 常現寺住職 高山元延

 新年 明けましておめでとうございます。
 皆様にとりまして、この新しき年、平成17年がよき年であり「酉(とり)」の如く羽ばたく年であることを心より祈念しております。
—てなことで—
「さわやか説法新春記念号」は、特別企画として、私達に『幸福(しあわせ)』を運んで下さる「七福神(しちふくじん)」様に御登場を願い、合わせてオブザーバーに年末から大忙しのサンタクロース様にも御出演していただくことになっております。
—それと—
昨年、いまや生(い)き神(がみ)様的に全国の女性方々の心を捉(とら)えてしまった方にも御登場願いたいと思うのです。
 題して「西暦2005年 九福神様のシンポジウム」(拍手)
 もちろん、司会はこの高山和尚であります。
高 山 「七福神の皆様、それとサンタさん。新年おめでとうございます。どうぞ本年も、八戸市民、いや全国の方々の為にも、よろしくお願い致します」
七福神様とサンタ様それぞれ同音に
 「やあ!!全国の皆さんおめでとう。今回はまた私達のシンポジウムを開催してくれてありがとう。今年は、皆さんにとってきっとよい年になりますぞぉー」
 「高山和尚!!君もなかなかイキな企画を立てるもんだね」
高 山 「はあー。そのー。神様方の御加護(ごかご)と福徳(ふくとく)を全国の方々に少しでもお与え下さればと思いまして…」
恵比寿様「私達が、さわやか説法の新春企画に登場するのは、これで3回目じゃないの」
大黒様 「そうそう、確か平成7年の正月が第1回目で、2回目が平成12年、それで3回目が今年ですか?」
布袋様 「そうか、5年ごとに開催しているわけだ。」
高 山 「はい。その通りで。…。」
福禄寿様「それで、会場はどこじゃな」
高 山 「はい。皆様のような超VIPな神様ですから、東京の高級ホテルか、有名神社でしなければなりませんが、何しろツテとお金がないものですから…。私の原稿部屋でお願いしたいのです…。スミマセン」
弁財天様「お金のことだったら私、弁財天が何とかしますけど…。やっぱり高山さんの原稿部屋でしか私達、登場できませんもんね。しかたないワ」
寿老人様「まあ、いいじゃないの、なあサンタさんよ」
高 山 「げっげエー。西洋の神様まで、原稿部屋で!!恐縮します」
サンタ様「イエース。イイデスヨ」(注:本当は英語ですが日本語訳で)高山(タカヤマ)サーン。アンタ、正月(ショーガツ)モマタ、私(ワタシ)ヲ働(ハタラ)カセルンデスカ」「モウ、クタクタヨー」
高 山 「へぇーどうも」
高 山 「ところでサンタさん、どうしてクリスマスの日に現れるんですか?」
サンタ様「オ!!ノー。愚問デスネ。和尚(オショ)サンモット勉強シテヨ。」
七福神全員うなずいて「そうだ。そうだ。」
サンタ様「クリスマストハ『キリスト様ノミサ』トイウコトデネ、Christ+(プラス)masノコトデ神(カミ)ノ誕生(タンジョウ)ヲ寿(コトホ)ギ礼拝(ライハイ)スルコトヨ」「高山サーン。アンタミタイニ、スナックデ酒ヲ寿(コトホ)グ日(ヒ)デハ、アリマッシェーン」
全 員 「そうだそうだ」
高 山 「はい、どうも、すみまっしぇーん」
高 山 「ところで、七福神様それぞれに御衣裳(ごいしょう)を着(き)ておられますが、サンタ様の服は、どうして赤いんですか」
サンタ様「マタマタ愚問(グモン)デスネェー。コレハネ、私(ワタクシ)、聖(セイント)ニクラウス。ツマリ、縮(チヂ)メテ、「サンタクロース」ハ司教(シキョウ)トイウ立場(タチバ)ノ制服(セイフク)ガ赤(アカ)ダッタノヨ」
高 山 「はぁーそれで」
毘沙門様「和尚さんの衣(ころも)と同じよ」
高 山 「それで、毘沙門様も堅(かた)い甲冑(かっちゅう)を着(き)ておいでで」
大黒様 「それはそうと今日は、もう一人、現代の生き神様が来るとか言ってなかった?」
ヨン様 「アニヨン、ハセヨー。やっと到着しました。」(注:本当は韓国語ですが日本語訳で)
全員+高山「げ、げっのげェー。ペ、ヨンジュン様ですかあー」
全員あんぐり
ヨン様 「遅れてごめんね。何たって家族(ファン)に囲まれてしまってぇー」(笑顔)
高 山 「なるほど、昨年の日本全国のヨン様人気は神様崇拝(すうはい)のようでしたからね」
弁財天様「きゃあー。ヨン様、ヨン様なのぉ。私達、八百(やおよろず)の神の中でもヨン様ブームだったの。まぁ素敵な笑顔。しびれちゃう。」
高 山 「私の奥様も、すっかりまいってしまって、『冬のソナタ』一辺倒(いっぺんとう)でして、私なんか置いてけぼりで『冬のその他(た)』でした。
大黒様 「まあー。しかたないんじゃないの。本堂で御経をあげてりゃいいの」
福禄寿様「高山君のことはさておいて『冬のソナタ』という題名はとても素晴らしいですがどんな意味が込められているんですか」
ヨン様 「冬のソナタはね。ハングル語で『キョウル ヨンガ』と発音し、キョウルは冬。ヨンガとは恋歌(こいうた)という意味ですね」
弁財天様「恋歌(こいうた)。ステキですね。ヨン様が言うと、もう超ステキ。うっとりしちゃう」
布袋様 「これの主題は『愛』ということかな」
ヨン様 「その通りです。神様方は先刻御承知(せんこくごしょうち)で愛はハングルで『サラン』って言いますが、冬が舞台でしたから『冬のソナタ』でした。春夏秋冬いつも、あなたを愛している、という恋歌のことなのです。」
ヨン様 「いつでも、どこでも、あなたを、皆なを愛している。そんな意味が込められているのです」
サンタ様「ソレハ私達ノ宗教デモ同ジデスネ。『愛』ガテーマナンデス。」
高 山 「私達仏教の世界では『慈愛(じあい)』という言葉があります。全ての人々を慈(いつく)しみの心で愛(あい)し、布施(ほどこ)し、布施(ほどこ)しあう、ということです」
寿老人様「そうじゃな、神様の世界では『御加護(ごかご)』ということかな。霊妙なる神様の『御力(おんちから)』をいただいて『御霊(みたま)の布由(ふゆ)』を以ってして、全ての人々を加護し、守護することをいうのじゃ」
恵比寿様「そのことをヨン様は全てのファンを『家族』と言っていることにも通じるようじゃな」
ヨン様にっこりされて「そうですね。その通りです。」
弁財天様「今の世相のような殺伐(さつばつ)とした時代には、特に求められる心でありますね。やっぱりヨン様ってス・テ・キ・」
高 山 「今回のシンポジウムは、どうもヨン様中心で進んできてるようで」
福禄寿様「愛(あい)と慈愛(じあい)と御加護(ごかご)に包まれているという自覚(じかく)が、ワシの名の如く幸福(しあわせ)と封禄(ほうろく)と長寿(ちょうじゅ)の基(もと)となるものではないかな」
七福神様、サンタ様、ヨン様全員うなずいて「そう!!そう!!」
大黒様 「その点、高山和尚さん。アンタはその自覚が足りないねェ」
全 員 「そうだそうだ」
全 員 「もっと修行しなけりゃ、駄目ですぞ」
高 山 「ギャッフーン」
高 山 「はっはぁー。よくわかりましたぁー」
九福神様「そうかそうか。では『さわやか説法』を読んで下さった皆様が、日本全国の皆様が幸せな新年であることを祈念してますよ」
高 山 「本日は、九福神の皆様!!誠にありがとうございました。」
九福神様「今年が皆様にとって夢や希望が大いに羽ばたくことを願ってますぞ!!」
七福神様「さらばじゃ」
サンタ様「サンキュー」
ヨン様 「カムサハンニダ(ありがとう)」
めでたしめでたし。(拍手)